2007.9.10
 まちの基幹産業である農業・酪農を応援しよう−。北海道富良野市で市民グループが立ち上がった。オムカレーによるまちおこしを進める『食のトライアングル(農・商・消)研究会』(会員数17人、松野健吾事務局長=36)のメンバーたちだ。研究会では地元食材にこだわり、毎月6日を06(オム)との語呂合わせで「オムカレーの日」と命名。現在、市内9店舗の飲食店やレストランに協力してもらいながら『富良野オムカレー』の普及に努めている。
 松野事務局長は「富良野にはジャガイモやタマネギ、ニンジンなどの農産物や牛乳、チーズ、ワインなどの特産品が豊富にあるのに、地元ならではのご当地メニューがない。こうした地元食材を使って、農業・商業・消費者を結び付けることはできないかと、平成14年7月に自然発生的に研究会ができました」と研究会設立の背景を説明する。
 『富良野オムカレー』には6カ条が掲げられているが、その中に「富良野産チーズ(バター)もしくはワインを使用する」「富良野産にこだわった一品メニューと「ふらの牛乳」をつける」という条件が付けられている。
 また、応援ソングも誕生した。中富良野町立宇文小学校の4〜6年生の女子児童6人でつくるバンド『うたがかり』が歌う『オムカレー食べたい!』だ。昨年12月に発売した1,000枚のCDは既に完売状態だという。
 「富良野オムカレーが誕生して今年3月で丸1年を迎え、全店舗でのオーダー数は3万食を超えました。今年からは富良野の雪のイメージにぴったりのホワイトカレーも加わりました」と笑顔を浮かべる松野事務局長は「今、酪農家は減産型計画生産で厳しい経営を余儀なくされています。私たちの活動で消費される牛乳はわずかかもしれませんが、こうした活動から派生して牛乳・乳製品の活用が広がり、日本酪農が発展することを願っています」と力強い口調で語る。まさに『プラスワン牛乳運動』の実践活動の一つといえよう。
 
2007.9.10
 ビールがおいしい季節になってきた。ビール党の酪農家や酪農関係者なら「Bilk(ビルク)」と聞いて、すぐに「牛乳を原料に使ったビールだよね」と思い浮かべる人も多いことだろう。今や酪農業界のみならず、全国的に話題の的となっている発泡酒、それがビール&ミルクの「ビルク」だ。
 北海道根室管内中標津町は、町民の数(約2万4,000人)よりも乳牛の数(約3万9,000頭)の方が多い一大酪農地帯である。酪農産業の景気動向は町の経済を大きく左右する。
 そんな酪農の町で起こった昨年3月の生乳廃棄という悲しい現実。「牛乳の消費拡大のために何か良いアイデアはないものか…」と多くの人たちが知恵を絞った。
 こうした町民たちの熱意と行動が生み出したヒット商品の一つが「ビルク」だ。ビルクの仕掛け人でもある中標津町の酒小売店『なかはら』の中原千歳社長(62)は「牛乳を捨てるくらいなら、牛乳でビールはつくれないものかと思ったことがきっかけですね」と笑顔で語る。この話を聞いた長男の一治店長(33)が早速、知人が務める地ビール会社の網走ビールに相談。試行錯誤の末、誕生したのが夢のビールともいえる「ビルク」だ。
 ビルクの原料は麦芽とホップ、そして「なかしべつ牛乳」。アルコール分は5%で、1,000Pを製造するのに300Pの牛乳を使用する。一般の発泡酒よりもライト感覚で飲みやすく、さわやかな口当たりが人気の秘密のようだ。
 現在は中標津限定の発泡酒として町内6店の酒小売店で販売しており、価格は1瓶330mP入りで380円。2月1日の発売以来、全国的に話題を呼び、4月中旬現在までに8万6,000本を販売した。
 中原社長は「想像以上の売れ行きに驚いています」と語るとともに「酪農は私たち町民にとっても生活の一部です。だから、牛乳の消費減退は私たちにとっても切実な問題なのです。酪農家の努力や汗を無駄にしてはいけません」と表情を引き締めていた。
 
2007.9.10
 昨年10月15日,北海道北部の草地酪農地帯の中心地,豊富町の町民センターで,栗城一貴さん・香奈子さんの結婚披露宴が,250人を超える出席者の祝福の中でおこなわれた。新郎新婦ともに,酪農学園大学の卒業生。新郎の一貴さんは,乳牛のブリーダーとしても有名な栗城牧場の後継者。栗城牧場の乳牛は全道共進会でのグランドチャンピオンのほか,第12回全日本ホルスタイン共進会経産6歳以上の部で,優等賞1席農林水産大臣賞を受賞している。
 栗城牧場のすぐそばには,豊富町自慢「豊富牛乳」の工場があり、一貴さんと香奈子さんは,自分達の結婚披露宴では「この牛乳で乾杯して始めたい」と希望していた。それを受けて,祝賀会場には同工場からできたてのフレッシュな牛乳が持ちこまれ,出席者一同で乾杯し,お二人の門出を祝った。
 新郎の一貴さんは大学時代に「土づくり−草づくり−牛づくり」の基本を学び,卒業後はアメリカ・ウィスコンシン州で1年間の酪農実習をしてきた本格派。新婦の香奈子さんは,同大の管理栄養師養成学科第1期卒業生で,稚内市で活躍。2人は北海道の牛乳消費拡大キャンペーン「Milk Land Hokkaido」にも登場し,美味しい牛乳の秘けつは,広大な草地で育まれた栄養豊かな牧草にあると,TV画面から牛乳の魅力を訴えている。2人は,これから栗城牧場をさらに大きく発展させることを胸に誓い,おいしい地元の牛乳で何度も乾杯していた。
 なお、一貴さんの父・栗城一憲さんは、充実した草地基盤に立脚した体型・能力のバランスの取れた乳牛改良の成果と、その実績や体験を通した地域酪農の指導者としての功績が高く評価され、本年、北海道酪農の振興・発展に寄与した酪農関係者に贈られる宇都宮賞(乳牛改良の部)を受賞した。
 
2007.2.7
 千葉県酪連では、平成18年11月下旬から1カ月間、会員農協の職員や酪農家が宅配牛乳の販路拡大に取り組んだ。この狙いを千葉県酪連・斉藤伸一参事は、「職員や酪農家自らが牛乳の販路拡大に取り組むことで牛乳消費の減少を食い止めるとともに、酪農家に意識改革を実感してもらうことが狙いです」と話す。
 会員農協では、すべての組合員酪農家に商品カタログを配り、牛乳、乳飲料、ヨーグルトの3商品の宅配顧客の獲得を呼びかけた。酪農家が顧客を開拓し、契約をとったら近隣の牛乳宅配店が配達する仕組み。そしてこの期間中に宅配契約をした新規顧客には、チーズがプレゼントされた。
 普段は生乳生産に専念してきただけに、「販売」は初めて経験するという酪農家がほとんど。最初は親戚や知人から勧誘を始めた。この取り組みについて千葉県三和酪農協・石橋組合長は「自らが販売することによって販売のむずかしさがわかってきたと思います。牛乳だけでなくヨーグルトや加工乳の注文があり、消費者のニーズを捉えた生産をしていかなければならないことも感じました。また、今回チーズのプレゼントを行ったこともあり、今後はチーズの消費拡大も合わせて目指したいです。今回のことで、“自分たちが生産した生乳を消費者に届ける”ということまで関わって行かなければならないと感じました」と語った。
 千葉県酪連では「宅配顧客を拡大しても、即効的に消費増大を期待するのは無理だろうが、こうした動きは積み重ねていくことが大事。牛乳消費が落ち込む冬休み前と夏休み前など、年2回は実施したい」としている。
 
2007.1.5
 埼玉県北の酪農後継者・牧場スタッフらで構成するサークル「D-1(デイーワン)」の有志8名は、平成18年7月にミルクマンプロジェクトを立ち上げ、白き勇者・ミルクマンが活躍するショーで牛乳をアピールする活動に取り組んでいる。
 これは同サークルの小林誠代表(酪農後継者)らが発案・企画し、週2回の練習を重ね、仲間の結婚式披露宴でのプレデビューを経て、12月26日に深谷市内の保育園で本番デビューと牛乳をプレゼントしたもの。
 ショーのあらすじは、人々の生活に牛乳が欠かせなくなった時代に、突如として現れた悪の軍団「ワルスギー」。彼らの狙いは世界制覇。世界中の牛乳を奪って、人々から悪に抵抗する力を奪うという作戦。牛乳を失った人々の力は弱く、このままではワルスギーの支配下に置かれてしまう、生きる力を失いかけていた・・
 しかし! 敢然と立ち向かう白き勇者が現れた。その名は「ミルクマン」。牛乳を愛するヒーロー。健康飲料としての牛乳をたくさん飲んでもらうために、正しい知識や美味しい料理法を伝え歩いている。たった一人で戦いを挑み、世界征服をたくらむ悪者どもを瞬く間に蹴散す。必殺技は「ホワイトバルククラッシュ」。
 いけ!ミルクマン!地球の平和と牛乳を守るんだ、と子供たちも拍手喝采だった。
 悪者「ワルスギー」役もヒーロー「ミルクマン」役も音響係も皆さん手作りで、約25分のショーと牛乳クイズで構成。そして元気な主題歌「白きヒーロー」は、次のような歌詞から始まる。

 朝一番の太陽が 緑の牧場(まきば)照らす 
 燃える瞳がまぶしいぜ みんなに元気を届けるのさ
 いつかこの世界に 白い旋風巻き起こす
 だから強く 自分信じ戦う 牛乳飲もうぜ!

 ミルクマンプロジェクトは今後も、出演の場面に応じてアレンジを加えながら、地道に牛乳のアピールを続けていきたいとしている。
 
2006.12.27
 北海道の十勝南部に位置する大樹町。町の人口約6,400人に対して乳牛頭数は約2万1,000頭、この頭数を約250戸の酪農家で飼養しており、年間約9万tの生乳を生産する道内でも有数の酪農の町だ。
 その大樹町で、11月11日のチーズの日に『24時間チーズ作り』が開催された。仕掛け人の1人である大樹町地場産品研究センター研究開発担当主査の山岸真さんは「本年3月(2006年3月)、生乳が廃棄されるという悲しい事態が起こりました。牛乳を廃棄するぐらいならチーズにできないのかという酪農家の声が高まり、当センターの加工施設で24時間チーズを作り続けたらどれだけの生乳を処理できるのだろうかと思いチャレンジすることにしたのです」とチーズプロジェクトの背景を語る。

 11日午前9時、伏見悦夫町長の手によってチーズバット(200ℓ)のスイッチが入れられ、24時間チーズ作りへの挑戦が始まった。施設内では山岸さんの指導を受けながら、町内外から集まった酪農家や消費者らが真剣な表情でチーズ作りに挑む。チーズの原料となる生乳は、町内の3牧場(農事組合法人サンエイ牧場、農事組合法人コスモアグリ、有限会社半田ファーム)から無償で提供を受けた。

 翌朝9時、チーズプロジェクトは終了時刻を迎えた。24時間で使った生乳は何と1,200ℓ。「約2kgのセミハードタイプのゴーダチーズを72個製造する」という目標を見事に達成した瞬間だ。この日作ったチーズは約3ヶ月の熟成期間を経て完成品となるが、参加者の家庭でチーズを熟成する方法についてもしっかりとアドバイスしていた。
 山岸さんは「生乳廃棄はあってはならないことですが、万が一の時にはこの加工施設でも24時間体制でチーズ作りができることが分かりました」と語るとともに「もっと多くの人たちに牛乳や酪農に興味を持ってもらい、チーズ製造を通して牛乳乳製品の消費拡大に貢献できればうれしいですね」と目を輝かせていた。

 ※本取材は2006年11月に実施
 

 
2006.12.7
 札幌中心部から南東方向に約2km。白石区菊水の住宅地の中にひっそりと構える「菊水小さな動物病院(後藤正光院長)」。2000年12月に開業した同病院は大きな窓が印象的で、病院内は家庭の居間を思わせる明るい雰囲気。待合室で診療を待つ人間も動物もゆったりと癒やされる気分になれる。診療動物も犬や猫をはじめ、小鳥、ウサギ、ハムスター、リスなどと幅広く、確かな診療技術と相まって、地域の小動物医療を支える動物病院としてコンパニオンアニマル愛好家の間では人気が高い。
忙しい診療の合間に取材に応じてくれた後藤院長は「北海道はやっぱ酪農だよね。酪農があっての北海道なんだよ。だからプラスワン牛乳のような運動を待っていたんだ」と開口一番、酪農への思いを熱く語り始めた。
 そして「当院では開院当初から冷蔵庫にはいつも牛乳を常備しており、スタッフはいつでも北海道産牛乳を飲めるようにしています。生活が不規則で食生活も乱れがちな若い獣医師は牛乳が貴重なタンパク源となっているようで、風邪などをひくことが少なくなりました。結果的に貴重な戦力を病欠させることなく、病院にとっても若い獣医師にとっても牛乳はかなりプラスとなっていますね」と一気に言葉をつないだ。
 小動物の獣医師である後藤院長が酪農にこれだけ熱い思いを持っているのは、母校の酪農学園大学で酪農や乳牛に深く接してきたことが大きい。また、スタッフとして働く獣医師5人も全員が酪農学園大学の出身で、酪農産業には人一倍愛着を持っているという。
 「本当に素晴らしい運動を立ち上げてくれたと思っています。私が所属する札幌市小動物獣医師会の会員たちにも呼び掛け、ぜひ札幌市内の動物病院の冷蔵庫には必ず牛乳が常備されており、毎日牛乳を飲むようにPRしてみますよ」と力強く語り、後藤院長は再び診療室へと戻っていった。
 
2006.10.20
−鹿児島県立鹿屋農業高校で牛乳の消費拡大運動−
 鹿児島県鹿屋市の鹿児島県立鹿屋農業高校(郡山正美校長)は9月22日、同校の体育祭で、集まった地域住民に対して牛乳の消費拡大を呼び掛けた。 この運動は、近年深刻化する牛乳乳製品の消費低迷を打破しようと、畜産動物学科の乳牛班9人が行った。牛乳乳製品の効用を示したチラシを配り、健康効果を説明した上で、日本酪農乳業協会(Jミルク)などが推奨する「3−A−Day」の普及推進を図るため、同校で生産・製造された牛乳50本を「動物行列」の中で地域住民に手渡した。
 同校体育祭の恒例行事である動物行列は、生徒たちが一生懸命育て上げた乳牛や肉牛、黒豚、鶏などの動物たちが登場、生徒たちがそれぞれの動物たちをリードして地域住民の目の前を行列するというもの。農業高校らしく体育祭を大いに盛り上げ、当日はテレビ局などの取材も多数入り、夕方からのニュースでも放映された。
  畜産動物学科の生徒たちは「酪農を知ってもらうことができたと思う」「牛乳の消費拡大につながればいいな」「乳牛をはじめ畜産についてもっと勉強したい」「これをきっかけに牛乳の良さを知ってもらいたい」などと口々に話していた。 また、実際に牛乳を試飲した住民からは「甘くておいしい」「牛乳の香りがいい」などと畜産生産物として高い評価を得ていた。
 鹿児島県立鹿屋農業高校は、明治28年に創立された鹿児島県で最も歴史のある農業高校で、農業、農業機械、畜産動物学科、生物工学、緑地工学、生活の6科に合計613人の生徒たちが学んでいる。特に畜産動物学科では乳牛46頭などを飼養しており、家畜飼育や農業経営についての知識と技術、小動物の基礎知識と飼育技術などを学び、広く動物が扱える技術者養成を目指した教育が行われている。
 
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